業務用エアコン圧縮機不良について一級冷凍空調技能士が解説します。

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業務用エアコンの圧縮機不良の深刻な原因について

バブル経済時期と比べた現在の「異なる背景」とは?

少し本題から外れた話からスタートしますが、息抜と思って読んで下さい。
バブル経済時期の大手ゼネコン、中小建設会社の現場監督に対し業者からのワイロが横行していました。

建設現場という職場内において現場監督の地位は力があります。これを監督個人の内職に役立てるわけです。もちろん面と向かっていくら持って来いと露骨に言う監督はいません。

上手にワイロを渡せる業者は仕事も必然的に増えます。監督と業者が仲良くすることが、お互いの利益につながります。ワイロを監督に渡せるだけの予算も余裕でありました。これができない業者は干されます。いじめに近いこともあります。これがバブル時代の一部分であることに反論の余地はなきものと思います。

この「内職費用」監督へのバックリベートは最終的には建築物の見積の中に含まれておりビルオーナー様自身が知らぬ間に支払っていたのですが..。

現在では、このようなことはほとんどありません。人の精神が清く正しくなったわけではなく、経済の低迷で全体の仕事量が大幅に減少して、大手ゼネコン、中小の建築会社が仕事を求めて激しい競争をするようになります。

オーナー様に建築物の見積金額を安く提示する..という方法が競争に打ち勝ち「仕事を確保する手っ取り早い手段」と言う事になります。

このことは私達業者にとっても大幅な予算カットとなります。バブル崩壊とともにワイロはなくなりました。

実際に下請けとして現地で工事をする会社は、少しでも安い材料を使う、余計な手間はできるだけ省く、人件費を見直す..このように苦しい台所事情のなかで建築業界で働く業者のみんなは頑張っているのです。

建築現場の昼休みは、他業種の職人さんとの交流場でもあります。ここではざっくばらんな本音が聞けます。要約すると、バブル時代はみんな手間を惜しまず良い仕事をしていた..と言う声がほとんどです。

現在の現場監督は、安全対策や工期については厳しい事をいいますが、予算がなく無理を承知で仕事をさせている背景があり技術的な細かいことはあまり言わなくなりました。

一時代前は監督に対するワイロというイヤな慣例はあったが、当時の監督は仕事の質も高い物を職人に求めていた..そう思っています。

監督は内職をして自分の懐を温めてはいたが、現場監督としての大切な責任は果たしていた..。こう自分は思っています。

和泉空調イメージ3

さてここからが本題です。空調業界にかぎっていえば、先にあげた「余計な手間はできるだけ省く」..このことが空調機取付けより7年以上経過したころに大きな問題となるケースがあります。

それは、暖房時期に暖かくならない..という不具合で問題が発覚するケースもあります。冷房運転は外気温度より3~4℃下げることで効果は実感できますが、暖房は外気温度より15℃以上温度を上昇させる必要があります。性能いっぱいの働きをしています。

このことから機器の性能ダウンがおきた場合は暖房運転のほうがシビアにお客様が実感します。

機器の性能ダウンには他に原因がある場合もありますが、ここでは「配管づまり」である場合をとりあげます。


室内機と室外機を結ぶ配管工事には熔接作業があります。熔接の基本は配管内部に不活性ガス(窒素ガスなど)を少し流しながら熔接します。これは配管が銅配管を使用していることから、配管内部に不活性ガスを流さないで熔接すると、銅管内部が高温(約800℃)で酸化被膜(黒いスス状の遺物が付着する)ができます。

この汚れは、空調機の試運転と同時にフロンガスと混合し圧縮機の潤滑油を汚します。永遠に配管内部に残存しガスと一緒に室内機、室外機間を循環します。

新しいうちはガスや潤滑油に馴染んでスムーズに流れますが、やがてこの汚れは経年変化により配管内部にあるストレーナー(配管内部のフィルター)に付着しガスの流れを著しく妨げます。これが、7年目以降に表面化すると考えられます。

配管内部に著しい抵抗が生じる、本来流れるべきガスの流量がフィルターの目詰まりにより制限される、このことでガス不足と同じような現象となります。冷房運転を例にあげると、室内を冷やした残りのガスが室外機に帰ってきます。運動エネルギーで過熱した圧縮機をここで適度に冷却しています。

ガス不足であることは適正に冷却されません。過熱運転となります。過熱運転は潤滑油を酸化させ劣化を招きます。圧縮機にも大きな負担がかかります。圧縮機はいくつかの保護装置が働くようにできており本来簡単に壊れものではありません。

しかし現実に圧縮機不良となり交換修理があるのも事実です。すべての圧縮機不良が施工の問題といいきれるものではありませんが、酸化被膜の問題は業者により避けられる問題でもあります。

この現実は重要なことですが、この時期において施工の内容までさかのぼって原因や責任問題が問われることは普通はありません。修理業者は単に圧縮機交換や室内機内部のストレーナー交換をして「適正な修理費用」をお客様に請求します。

            

圧縮機取り換え(修理)と新品入替えについて

圧縮機不良の原因は上記原因のほかにもあります。室内機内部、又はフィルターの異常な汚れ、短い時間での運転と停止の繰り返し、など複合的要素も関係することもあります。 修理金額が高額になる為に、取付けより10年以上経過した空調機は新規入替になる事例が多いようです。

<コラム>
東南アジアで大量生産をして、なおかつメーカーどうしの競争販売をする新品エアコンに対して、競争のない修理部品は定価販売となります。 これに点検費用と部品交換費用、出張費用が加算されます。 部品代が最も高価な圧縮機交換修理が必要な場合、業者が新機種入替を勧めるのはこういう理由からです。

圧縮機不良で交換する場合、完全修理の為には、トップページに写真を掲載した配管洗浄器を使って室内及び外配管内部をクリーニングする必要があります。